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逃げ切れない思いを惑わすため、人におぼれた。 その人から逃げ出すため、また別のところにおぼれた。 でもそこはおぼれきれないところで、またおぼれる先を探した。 また見つけた、おぼれられそうなところ。 こうして人におぼれなることで生きていることへの不安を惑わし、 自分を騙しながら、生きていくんだろうか。 久々に部屋を全部雑巾がけして、水周りもしっかり洗って、 書類を整理して、壊れかけた棚を直し、家の更新書類を書いて、 冬物と夏物を入れ替えた。秋がやってくるんだ。 時間は着実に過ぎていた。振り回され、苦しみ続けた間に。 そういえば僕は、気付かない間にまたひとつ歳を重ねている。 時計の針が、動き始めた気がする。 残念ながら、どうやらまだ生きてるらしい。 たくさんの人が生きているこの世の中で、 僕も小さい命を持ち続けている、 消える日まで何をしたらいいのだろう。 満足すること? 僕は何をしていたら満足するんだろう。 僕が欲しいものは、いったい何なんだろう。 記すことで生きてきた。 その言葉があっという間に消え去ってしまっても。 軽々しい時代の使い捨てお飾りにもならないような、陳腐で安っぽい言葉であっても。 僕は記してきた。 1日くらいは、どこかの誰かが僕の言葉に救われることを夢見て。 僕は何が欲しいんだろう。 僕の火はいったい、何を燃やしたがっているんだろう。
by watchdogs
| 2007-10-28 18:04
| 取材メモ
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